「経営者の条件」 is なに?
日本でもヒットした P.F.ドラッカー の著書です。
ドラッカーの本は、日本における発売に際してダイアモンド社と秋元さんが組んで、商業的成功を達成したと同時に有名になったものだと思います。別に悪くはないけど、「仕掛け」があるビジネス書って心象はイマイチですね。
- 作者:ドラッカー,P・F.,Drucker,Peter F.,惇生, 上田
- メディア: 単行本
さて、そんな感じで、日本と諸外国で知名度に差がある本書ですが、とりあえず読んでみた、という記事です。
まずはじめに、私はドラッカーの本をこれしか読んだことがないので、ドラッカーの考えていただろう経済の全体像みたいなものまで言及できる力がありません。本書を読んで気になったところなんかをピックしておく記事になります。
はじめに、読んでみて思ったのが、社会人になってから読まないと、とてもピンとくるものではないのかな、と。経験したことがないプログラミング言語の参考書を、まったくコーディングせずに読み続ける違和感みたいなもの。みたいな。
以下、私の気になったテキストです。
肉体労働者の競争力 (p237)
知的労働者の生産性の向上は、先進工業社会に特有の経済的ニーズである。
先進工業国の肉体労働者は、そのコストにおいて、発展途上国の肉体労働者と比べて競争力がない。
これは、現代の外国人労働者の受け入れの拡大とセットで頭に留めておきたい。
経営者の条件に書いてある内容からすると本筋ではないんだと思うけど、読んでいて一番ドキリとさせられた。
このあたりを読んだことがあると、私がドキリとした理由が伝わりやすいかな。
今の日本は、ドラッカーの本が出た頃と比べて、少し状況が異なる。先進国ではあるけど、右肩下がりの国であるのは間違いなさそうで、人のコストは(途上国と比べて)高い。つまり、日本人は、肉体労働者としての競争力はむずかしいものがあって、安価な労働者は前より入ってきやすくなっている(いく恐れありけり)。
結局のところ、自分の強み、具体的な知的生産ができる能力がなければ、日本でそれなりの暮らしをしていくのは難しくなっていくように思えて怖い。
それが「ひとつの独立経営体の主人公であり、経営者である」といった自分自身の個人経営に考えが繋がれば、経営者の条件の内容は、ごくごく個人的な読み方もできるので面白いなーと思った。小並感。
個人的な感想
ざっくりと、
「時間を知り、強みを知り、よりよい意思決定から成果をあげる(実行する)こと」
これを経営者の条件だと説明してると、私は思う。
で、正しいと思えるような内容を丁寧に説明している系の本だから、読んだ内容を実行しないと「そーなのかー。勉強なったのかー」で終わっちゃう系の本だとも思う。
ひとつだけ頭に留めておきたいことを決めるとするなら「あげる成果の意思決定」。この大切さ。
「自分のこれから」をどうしたいのか、どうなっていくのかに深く結びついていて切り離せない。
どういう成果をあげたいのかを意識していれば、
- 何が、何に対して大切なことなのか
- どういった貢献に繋がるのか
- 実行する条件は整っているのか
このあたりの手順を踏めると思っている。
ただ、自分は(この歳になっても)性格と気分に左右されやすいので、 意思決定が、経営者的ではなくなってしまう 。反省。
なんというか、カッとなる自分がいても、冷静な自分もいるだろう。で、その冷静な自分がバカなのが、一番やばいわけですな。
冷静な自分のために、人生を支える経営的な考え方のひとつとして、押さえておきたいね、そう思いました。