原因
Visual Studio の デバッグモードで起動したウィンドウは「管理者権限」、デスクトップなどの explorer.exe は「管理者権限ではない」ときにドラッグ&ドロップを受け付けない問題が起こるようです。
Windows Vista 以降に追加された ユーザー インターフェイス特権の分離 (UIPI) から発生している仕様です。
不便なので、デバッグ時でもドラッグ&ドロップできるようにしたい、という趣旨です。
症状の確認
Windows OS を管理者で実行していれば explorer.exe も管理者実行になるかといえば、私のようにそうならないことがあるようです。 UAC のレベルは「通知しない」です。
タスクマネージャーを起動して (Esc + Shift + Ctrl) 詳細のタブを選択します。「名前、状態、 CPU 、メモリ……」と並んでいる列に「管理者特権」が無ければ、列を右クリックして「列の選択」から追加してください。
見ての通り、私は管理者でありながら「explorer.exe」の管理者特権がありませんでした。
(ちなみに、タスクマネージャーで explorer.exe タスクを kill することは当然できます。しかし、管理者特権を付与して作成しようとしても、付与できていませんでした)
この権限付与の仕様について、ちょうどよい情報が見つからないのですが、同様の意見を述べているのは見つけました。
今回一番不便だと感じたのは エクスプローラー(Explorer.exe)を管理者権限にできないことです。
エクスプローラーは管理者権限にできません
対応
「explorer.exe」の代わりに適当なファイラーをダウンロードしてきて、管理者権限を持たせたファイラーからドラッグ&ドロップすればよいです。
手軽なのは「Explorer++」です。
右クリックから「管理者として実行する」を選んで、ファイラーを起動します。あとは、デバッグ中のウィンドウにドラッグ&ドロップします。両者の権限が一致すれば、イベントが発生します。
極端な話、メモ帳 (notepad.exe) を管理者権限で起動して「名前をつけて保存」などのダイアログからドラッグ&ドロップでもよいです。
補足
ユーザー インターフェイス特権の分離 (UIPI) の設定を解除することもできますが、推奨とはいえません。
下記フォーラムの指摘の内容が適切だと私は思いました。
ChangeWindowMessageFilter()にてこの制限を解除することもできますが、それよりは安易に管理者権限を要求すべきではないです。UACの主旨を理解しアプリケーションを設計されることをお勧めします。
MSDN フォーラム - 管理者権限で実行すると Drag&Drop が効かない