amazon prime day 2022 にあわせて wifi 環境を更新した。更新のため、最近の通信規格を整理したのでメモ。
まず WIFI の通信規格は「IEEE802.11」です。
無線 LAN は、もうひとつ大きな括りで、無線 LAN の中に通信方式「IEEE802.11」が含まれていて、その商標登録名称が Wi-Fi になるみたいです。(かつて IrDA 規格の赤外線通信があったし、「IEEE802.15」に bluetooth がある)
通信規格の一覧
IEEE802.11a のように規格名の後ろに「a」のような文字が付けられる。これで具体的な通信規格になる。
規格 | 周波数 | 最大通信速度 | 策定時期 |
---|---|---|---|
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps | 1999年10月 |
IEEE802.11a | 5.0GHz | 54Mbps | 1999年10月 |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps | 2003年06月 |
IEEE802.11n | 2.4GHz or 5.0GHz | 600Mbps | 2009年09月 |
IEEE802.11ac | 5.0GHz | 6.9Gbps | 2014年01月 |
IEEE802.11ad(WiGig) | 60.0GHz | 6.8Gbps | 2013年1月 |
IEEE802.11ax | 2.4GHz or 5.0GHz | 9.6Gbps | 2021年2月9日 |
周波数は、ざっくりと 2.4GHz のほうが障害物に強くて遠くまで電波を届けることができます。しかし、wifi だけではなく bluetooth や家電などでも利用がある周波数なので干渉を受けやすいです。対して 5.0GHz は、wifi 専用の周波数です。他家電の干渉しづらく安定した通信になりやすいですが、障害物によって弱まりやすい弱点があります。
そこで、周波数は、デュアルバンド/トライバンドという考え方ができており、デュアルバンドだと 2.4 GHz / 5 GHz を同時にサポートし、接続機器を分散させることで、より途切れづらい環境を用意することが可能です。
通信速度の一覧
最大通信速度は、byte で考えたほうが感覚的にわかりやすいので、8で割り算して、以下のように変換します。
規格 | 周波数 | 最大通信速度(byte) | 策定時期 | 一般呼称 |
---|---|---|---|---|
IEEE802.11b | 2.4GHz | 1.375MB/s | 1999年10月 | - |
IEEE802.11a | 5.0GHz | 6.75MB/s | 1999年10月 | - |
IEEE802.11g | 2.4GHz | 6.75MB/s | 2003年06月 | - |
IEEE802.11n | 2.4GHz and 5.0GHz | 75MB/s | 2009年09月 | Wi-Fi 4 |
IEEE802.11ac | 5.0GHz | 862.5MB/s | 2014年01月 | Wi-Fi 5 |
IEEE802.11ad(WiGig) | 60.0GHz | 850MB/s | 2013年1月 | - |
IEEE802.11ax | 2.4GHz and 5.0GHz | 1.2GB/s | 2021年2月9日 | Wi-Fi 6 |
光回線に対応している場合は、「ac or ad or ax」に対応させると快適になるだろうことがわかります。
たとえば、amazon prime video のストリーミング再生は、標準画質で 1MB/s 以上、高画質は 5MB/s 以上の速度を推奨していますので、従来の「a or g」だとギリギリの速度になるみたいです。
今年の 6 月に私の更新をしたスマートフォン「zenfone8」は以下の通信機能を有します。
- IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (周波数帯域:2.4GHz/5GHz)
なので、zenfone8 を利用する都合から「ac or ax」に対応したものを選択すると、通信品質はよさそうです(周波数が異なる ad は候補になりませんね)が、Wi-Fi 5 の「ac」規格は 5.0GHz のみでした。この場合は、メッシュ Wi-Fi を構築すると安定しそうな気がします。
ストリーム数
通信速度に関連する用語として「ストリーム数」というパラメーターがあります。わかりやすくするとアンテナ数です。
親機側と受信する子機側が「MIMO (Multiple-Input and Multiple-Output) :マイモ」に対応しているとより、データ通信と品質が安定します。「ac」からは、MU-MIMO になっています。
ストリーム数が増えると高速になりけど機器価格も上がる。ac の1ストリームだと 433Mbps。MIMO の 2×2(2ストリーム)で倍の 866Mbps、3×3(3ストリーム)で 1300Mbps、4×4(4ストリーム)で 1733 Mbps と速くなっていく。(参考)
このあたりの細かい仕様は、日本語の製品仕様だと、書いてないこともあります。スマートフォンだと国別に仕様が異なることもあるので、参照しづらいですが zenfone8 だと EN には書いてありました。
- Wireless Technology
Mesh network
このほかにも、mesh network というものがあり、これは通信ネットワークの構成要素のひとつ。複数の中継機器が情報の伝送経路をお互いに形成し合います。
なので、mesh network は通信速度を上げる目的の技術ではありません。通信したい領域(範囲)に対して、領域内の電波を安定させる目的の技術です。また、mesh network は各社独自の技術で達成しているもの(たとえば、baffalo の air station connect)もありますが、Wi-Fi Alliance が提唱する「Wi-Fi EasyMesh」が技術的な標準です。これに対応するものであれば、異なるメーカーの Wi-Fi 機器であっても mesh network をサポートし合うことが可能です。
同様の通信を安定させる技術に「ビームフォーミング」というものもあります。特定の方角/方向と電波を送受信する技術です。通常の Wi-Fi の電波は指向性がないので「ビームフォーミング」は、指向性のある形状みたいなことかと思います。